【アート】 京都の展覧会をハシゴ (本編)

●京都近代美術館の「上村松園展」 (~12/12)
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2010/383.html

 とにもかくにも京都に行った目的はこれ。後期入れ替えまで待ちました。
 入り口ポールには、もともと等身大ある大作美女4人がそのままのサイズでプリントされてお出迎え。とはいえ半分が鬼女って…
 そう!大目的はその鬼女だったんだけどね!

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 小野小町がエントランスでお出迎えしてくれたあとは、しばらく初期の美人画。図版ではわからない細かさ、テクニックが発見できるのが展覧会の醍醐味だけど、今回ももう…筆遣いの細やかさ、表現の緻密さは脱糞もの。隣で見ていたおばさまたちは、着物の着付けの表現に感心してたけど、そういった着方、染めと刺繍の違いなどまで分かる。
 そして第2章!
 ああ!真っ正面に鬼女「焔」!左手に狂女「花がたみ」!この一画だけ空気が違う!展示レイアウトを考えた人に栄光アレ!
 まあ、お二人とも口元が誇張してゆがめられていて、一見してまともな状態ではないことが分かるんだけど。さらに「焔」はあのポーズからして幽霊画の延長にあるんだろうけども。それでも流麗な体のライン、相手の男を怨みながらも綺麗に整えられた結い髪。たまらん。

 制作の時代を追えば、20代から「すだれ越し」とか「薄衣」とかの表現、目線や仕草でだけで状態を表す技術など超絶テクに挑戦し、中年になると情念などまで盛り込み、歳が行くとそれらからエッセンスを抽出して最低限の要素で表現するようになる流れが分かって面白い。そうして技術が高みに達してしまうと、逆に簡素で物足りなく見えてしまうのに反発してか、若い頃のすだれとかの難しい作品を再制作してみたり。どこまでの制作への意気込みか、あんた手塚治虫のようだ。
 美しさや品位を損なわない「色気」「艶」のある美人画。登場人物がちょこちょこ山田五十鈴に見えてしまうのは私の業… 入れ替えで一部作品はもう見られなくなったけど、非常に見応えのある展覧会でした。

 ところで、4F所蔵品展に笠原恵実子の「PINK」がずらっと並んでるのもショッキングだったな。一辺1mもある膣内写真。
 私はじっくり見てたけど、他のお客は分からないからか分かったからか、比較的スルーしてる人が多かった。 こちらの所蔵品展は19日まで。


●観峰美術館の「アボリジニ絵画展」 (~来年2/6)
http://www.kampo-museum.co.jp/MUSEUM/MUSEUM2.html

 いろんなワニがいるのにびっくり。
 なんとなく、ひとつの文脈で捕らえれるように思っていたのね。アボリジニアートが1種類しかないような感じで。でも日本の都道府県に方言があるように、部族や地方で表現が違うのね。その違いが面白かった。
 獰猛な猛獣も深刻な神話も、あの素朴な点描のせいでひじょうにほのぼの感じられる。けど、あの無数の点をひとつひとつ打っていくのって、すごい集中力。それができるっていうのが、民族の誇りであり信仰なんでしょうねえ。
 杖や彫刻など立体物はいちいちキュートでたまりませんでした。

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 さて、ここはもともと書家の所蔵館、民俗資料館で、創始・原田観峰の書画や収集物も常設されているのだけど、その中にとんでもない物が…
 昔、中国で巨大な硯が流行った時期があったらしく、なんと幅2mほど、奥行き1.5mほどというサイズ。真ん中にお盆ほどの硯のくぼみがある以外、雲間から飛天する龍が56匹も彫刻されているというシロモノ。ゴツすぎ、やりすぎだろ、これ。

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 この硯も見所です。


●ISETANの美術館「えき」の「キューピー展」 (~12/24)
http://www.wjr-isetan.com/kyoto/floorevent/index_7f.html

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 オリジナルのキューピー、すごいアクティブでした。知らんかった。
 立ちん坊の人形と違い、曲線で作られたそのポーズのかわいらしさ。一方で保護者代わりのゴブリン爺さんが毎度毎度ひどい目にあう、コミック版のドタバタさかげん。
 なんだろう、手塚漫画とダヤンを足したような感じ?
 日本じゃ携帯ストラップの着せ替えキューピーとか流行ったけど、そんなのしなくてもオリジナルキューピーにはキャラクター分けがされていて、学者キューピーとか人魚キューピーとかいたというのもなんだか皮肉っぽい。不安や恐れを退治してくれるアーミーキューピーが、持ってる射的みたいなライフルで常に画面上の誰かを狙っているのが笑える。
 3分間クッキングとかタラコにくるまれてるとか、日本でのキューピーって赤ちゃんぽい愛らしさだけフューチャーされてるけど、これは良い発見でした。
 ちなみに、作者のローズ・オニールも美人さんでした。

(全て敬称略)

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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