【読書】 発酵人間

ネットじゃ「戦後最大の怪書」とか持ち上げられてるらしい、【発酵人間】を読みました。



なんかいろいろ凄いようにあちこちで紹介されてるけど、
カストリ雑誌とかの類い?ならこんな感じじゃないの?
作者もあとがきで「透明人間やドラキュラみたいな怪人ものを現代劇でやりたい」
みたいに書いてるし。
江戸川乱歩の小説に出てくる奇人怪人だってせいぜい生身の人間だから、
初めから、まっとうな推理や捕り物を描く気なんてなかったんでしょう。

で、肝心の中身は、いろいろ読み応えがあったりひどかったり、ムラが…

復讐のためにインドのヨガの秘術で怪人と変ずる能力を得た主人公。
復讐相手の死体を墓石に塗り込めて送りつけたり、
怪能力を示すために自ら爪を剥いで再生する様を見せつけたりとか、
そういう演出はおもろいんですよね。

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言ってることは、何言ってるのか分かりませんけど。

なんせこの発酵人間、本人の言うとおり、
アルコールひと嘗めで体が膨れあがって怪人と化すのだけど、
「体が膨れあがって怪力を振りまき、傷もみるみる再生する」、
と聞けば、普通、超人ハルクや戸愚呂100%を想像するじゃないですか。
ところがこいつ、それだけ期待させといて、
ただたんに膨らんでバルーンみたいに飛んでったりするんですよ…

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このハイレベルのギャグは、なめてますよね、読者を。

このあたりから、
主人公は、追っかける側の新聞記者と探偵にバトンタッチし、
発酵人間はだんだんと変身さえしなくなっていきます(笑)

シリーズ化して話が長引いたのも原因だろうけど、
こうした展開の迷走や、特に酷い第5話のようなお話作りの出来の悪さ。
その一方で、今じゃアメコミで当たり前な、
「1キャラクターの善と悪とがわかれて戦う」なんてのを先取りしてたり。
このアンバランスさが、天下の奇書と言われている所以なんでしょう。

とはいえ、こう言っちゃあアレですが、
この程度の出来の悪さ、2次創作じゃ日常茶飯事ですよね?(笑)
エロパロで目を鍛えた紳士には特に奇異には映らないかもしれません。

なので私は面白く読ませて貰いました。(´ー`)ノ

しかし、復刻されたハードカバー3000円をお薦めするのは、
やはり気が引けますな。

あと、こんな本(笑)でコケカキイキイに出会えたのは笑いました。

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慌てふためく警察を尻目に発酵人間が放つ煽り文句が、
「こけっか、きっきっ」。

コケカキイキイは言うまでもなく水木しげる大先生の作品ですが、
どうも大本は、紙芝居の怪奇話のようですねえ。
水木大先生も発酵人間の作者も、
この言葉の響きには同じように惹かれたようです。

先に述べたように、本は高価なので、
宝くじにでも当たったら買って楽しんでみるのもありかもしれません。





ちなみに、第5話の何が酷いかって言うと、

冒頭、死体の第一発見者の一人称で書き出しておきながら、
蓋を開けると、犯人は第一発見者だった
ってとこですよ。
前半1/3の文章が嘘だったって言う…

なんじゃそりゃ!
 

テーマ : 読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

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